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明るいところで見るがじゅくんの裸は、いつまで経っても慣れることが無い。
ずれたブランケットを、起こしてしまわないようにそっとかけ直す。
幸福そうな寝顔だと思う。幸福であってほしいと思う。
朝日に包まれて、淡い光を放っているようにも見える滑らかな白い肌から、視線を外すことはどうしてもできなくて、むしろ凝視し、そのゆるやかな曲線を描いた首筋に柔く噛み付いてみる。
それは、ひどく甘い、もの、のような気がした。
そうしたくはないのに、いつも無理させてしまう。
残るのはゆるやかな倦怠と後悔。
箍となるべき理性はすぐに吹っ飛ぶ。どうせ男など獣なのだ。
もう既に活気を取り戻し、どくどくと脈打ちはじめた下半身から無理やり意識を逸らす。まったくいやになる。
がじゅくんはまだ、目覚めない。
細い髪に指を通せば、しゃらんと音が鳴るようにすり抜ける。
本来受け入れるようにはできていない身体だ。
華奢な身体が受ける負担はいったいどれほどのものなのだろう。
達する瞬間、肩に立てられる爪の痛みは、きっとそのまま彼が感じているものなのだ。
もっと、背負わせてくれればいいのに。
このことで彼が俺をなじったり責めたりすることは、決してないのだ。
そういう人だから、愛した。愛している。
幸福なのは、俺だった。
あまりに愛しくて、愛しすぎて、その愛にずぶずぶとおぼれて、俺はもう一度、瞼を閉じた。
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special thanks! サボテン
事後のおはなし
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