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メロスは激怒した。
「ふざけるな!」
俺は、俺はいつだってお前の幸せを、ただそれだけを願っているのに。
「ふざけてなんかいない。大切なやつの大切なものさえ守ってやれないなんて、親友じゃないだろう」
親友。
その響きに、左胸がちくりと痛む。
神は、この国は、この非生産的な想いを、赦してはくれない。
俺はお前を幸せにはしてやれない。
俺はお前を不幸にさせやしない。
だから。
掴みたい掌を前に拳を握り、奪いたい唇から目を逸らし、募る一方の愛惜は鍵をかけて心の奥底に閉じ込めた。
それでも。
あんまり長く、近くに、二人で、居すぎて。
離れることなんて、できやしないよ。
お前の隣は誰にもやりたくないんだ。
そこを俺の指定席にさせてくれ。
たとえそれが俺のエゴであるとしても。
きっと聡いお前はすべてに気付いているんだろう?
「-必ず、戻るから」
「うん」
そのうえで、そうやって笑ってくれるんだ。
お前の笑顔を守るためなら、俺はどこまでも、いくらでも走るよ。
愛する人を抱きしめることすらできないと歎く男を、愛されることを拒むことですべてを許してみせる男は、きっと、誰よりも聡明であった。
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セリヌンティウス←メロス
でも1番幸せな両想いのかたち
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